番手の選択(3)

<番手の選択(3)>
seesaaさんに2度目の容量追加をしてもらいました。

シリーズ最初はこちら


#3/#4指定の竿を例に、間違った使い方を書いてみます。

まず#3/#4という表記は・・
ある程度長く引っ張ってくるなら#3ラインを使用、
比較的短い長さでシュートまでもっていくには#4を使用という意味。
※ライン形状の違い(DT/WF)で2つに分けて表示しているという場合も。


・もし、#4ラインで長く引っ張ってくるとどうなるか。
 あるいは#4ラインで20mを真っ直ぐ前後に投げようとするとどうなるか。



bante-select3.jpg

 振り幅が広くなりティップがお辞儀をします。
 バックキャストではループに丸いたるみが出てしまいます。
 フォワードキャストではターンの調整が難しくなってきます。

 もしお辞儀させないようにしようとすれば、引っ張ってくる長さのほうに制限が出ます。
 物理は知らないですが、物理的にそうなるはずです。
 せいぜい15mまでか。


・では、#3ラインで短く前後させてキャストするとどうなるか。


 まず、竿の先はどうして細くなっているのかを考えてみます。
 弾力のある素材で先細りになっている棒、なっていない棒、
 一応どちらもキャスティングは可能ですが、
 しかし先細りのほうが楽に遠くまで飛ばすことができます。

 な〜んでか?

 それはねー、棒の先が細くなることによって、
 その先端が腕の運動スピード以上の速さで返るようになるからだよ。


 前準備として、バックキャストなら前方へ倒れこむ、
 フォワードキャストなら後方へ倒れこむ、
 その反動として返りのスピード(トルク)が生まれます。

 そこで短い#3ラインで投げようとすると
 ラインの負荷(重さ)が足りない為に竿先があまり曲がらず、
 必要なスピードでの返り、打ち出しができなくなります。

 竿本来の能力(どのくらい腕の動きを倍増させられるか)が
 発揮できなくなるということですね。

 もしこれを無理に飛ばそうとすれば・・
 バック/フォワード時の腕の動き自体を速くしないといけなくなり、
 これが過ぎると「力で飛ばすキャスト」と呼ばれるキャストになっていく。

 #4のWFライン、#5ラインなら同じ長さで風を切るキャストがきるかもしれません。


また、当たり前のことを書いてしまった?

だけど・・つづく


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チャック・ベリーとFF

<チャック・ベリーとFF>
69年が最高。

若い人はチャック・ベリーのダックウォークを知らないかも知れません。
ギターを持ったまま片足を前に出し、
ピョコピョコ跳ねながらステージを進むパフォーマンスです。

ムーンウォークと同じくライブでは大変盛り上がります。

さて、この動きを連想するから・・だと思いますが
”チャック&ダック(Chuck & Duck)”と呼ばれている仕掛けがあります。

chuck-and-duck.jpg

フライラインとフライの間にエダスをもうけて、それに重りを付ける。
重りが底をピョコピョコと跳ねながらフライを引いてくるわけですね。

速い流れに重りでアンカーを打ち、そこを支点にフライを流し込むのもいいです。

これはなにもフライフィッシングでなくても
スピニングタックルにシンカーをぶら下げてその先にワームやフライを結べば同じなわけです。

フライロッドで投げる場合は、重りの衝突を防ぐためにロッドを円弧状に振らねばなりません。
自然と頭と上半身を前に倒しこむことになると思いますが
これを、Chuck and Duckスタイルのキャスティングと呼びます。

重いシューティングヘッドや大きなフライを使用する際にも
同じ動きになるので、同じ呼ばれ方が使われます。


なんと言ってもネーミングがいいですね。


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護岸の利点

<護岸の利点>
生態系を考えると間違っても良い事とは言えません。

下図は私が勝手にプライベートリバーと呼んでいる川です。
里川二面護岸。カワムツ。


protected-stream.jpg

川幅3m、護岸2mといったところでしょうか。
寝そべってもすでに2mの高さということになります。

普通に魚を確認できる距離から頭を出すと
それは魚にとって余裕で侵入者に気づくことのできる視界です。
自分の影の出る方向にも気をつけないといけません。

これを知らずに上流からやるとほとんど1匹も釣れない。
群れが大きければ大きいほど一目散。
魚が表に出ていればいるほど蜘蛛の子散らし状態で釣りになりません。

釣人や天敵に、立ち位置、立つ高さを強いる護岸。
護岸は魚たちを優位に、危険から守る一面のある事に気付かされます。


ちなみにここでの釣りを時系列に記しますと・・

上流側からストーキング、ポイントの様子と距離感を把握。
ドライフライを流し込んで数匹。
逆引きをして数匹。
ドライフライやニンフフライを少し沈めて浮き上がらせて3匹。

ポイント横を歩いて、同じポイントを下流側から見て立ち
ドライフライで1匹、出るか出ないか。
ニンフフライに変えて十数匹。

最初から下流側から投げられれば「ドライフライで十数匹」となると思いますが
この川は下流側から入れるポイントがほとんどありません。

いまだ魚がたくさんいるのにはそれなりの理由があるのかもしれません。
なかなか難しい川であります。


こちらも合わせて。



フランク・ソーヤーさんの書籍をおすすめします。


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フライの推進線

<フライの推進線>
ネコは身体をひるがえして着地しますが。

フライをデザインする上で推進線を意識しないと死んだフライとなってしまいます。

本来はフックの鉤軸(シャンク)が推進線となります。
素材はその線に従って、なびくように取り付けます。

例えば、このフライやカーブフックに巻いたニンフフライなどの場合は
リトリーブをしたり、水の抵抗を受けると回転し始めます。

fly-horizontal1.jpg
こうなると釣れません。

なので、この手のフライは水流通りに自然に流すことを前提としています。
あるいは、ゆっくり回転しても支障のない場合に。


水だけでなく、投げる際も素材の取り付け次第ではクルクル回りながら
跳んでいってしまってハリスがクネクネとよじれてしまいます。

デザイン段階でそのあたりをよく考えておく必要があります。

どうしても外的要因により回転がまぬがれない時には
浮力のある素材をシャンク上面に取り付けるか
重さのある材料をシャンク下面に貼り付けるか、

あるいは、どう回っても
同じシルエットとなるフライをデザインして緩和します。
(大抵は素材をシャンクに巻きつけることになる)

fly-horizontal2.jpg

あまり無理矢理に推進線を作り上げようとすると
常に引っ張っていないといけなくなり ”小さなルアー”となってしまいます。


こちらも参考に。


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テレストリアルフライの注意点

<テレストリアルフライの注意点>
陸生昆虫を模した毛鉤のことです。

他のフライに比べて
一般的にボディがずんぐりしていて丸っこいものが多いです。


terrestrial-break1.jpg

普通のフライはフックの曲がったところで魚の引きを支えますが
テレストリアルフライの場合には、
ボディも引っかかることによって糸を切る危険性が高まることがあります。


図形的に描くとこんな感じでしょうか。
波型はハリスにおける危険の高まりと箇所のイメージ。

terrestrial-break2.jpg

仕事で材料工学を扱う方は
計算ではそうはならないとおっしゃるかもしれません。

犬と「引っ張りっこ」をすればよく分かりますが
綱の先に結び目(こぶ)を作って咥えやすくしてあげると
その動作は急激になり、引きちぎらんばかりに興奮して何度も引っ張ります。

例えば、突然誰かが私の首根っこに傘の持ち手を掛けてきて、
強く引っ張りだしたら私はパニックになります。

前図の波が上下にあらわれているのは、
マスが首振り行動(ヘッドシェイク)をして
毛鉤を外そうとしているものとして見ていただければ。

危険を感じる中、相手が引っぱりやすいものであると分かった瞬間、
本能的に急激な行動をしがちなのは動物であれ人であれ、同じではないでしょうか。

口を使って餌をとらえる者が、口に入った物に対して
それら顕著な行動を起こすことは、生きていく上で自然なことです。


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『魔魚狩り』を読んで(2)

<『魔魚狩り』を読んで(2)>
(1)はこちら

下の図は、私がふだん、勝手に「プライベートリバー」と呼んでいる川です。


magyo-gari2.JPG


【A:源流域】
自宅があります。山と少しの畑。

ある日、知らない人が庭に入って来て「なにか困ってることはありませんか?」と言う。
特にないと答えると「前にある道路を舗装しましょうか、外灯もあったらいいですね」と言う。

立候補する町会議員でした。
道路を舗装する代わりに票を得る。
舗装が現実になったとしても無料ではないので、業者にも金が行く。

代議士、土建、林業。


【B:上流域】
私がカワムツを釣る領域です。周辺は田んぼ。

田の区画整理、その為の通路整備、川の護岸も昨年までに完了。
護岸区間はどんなにストーキングしても走る魚一匹見なくなりました。
下流側も砂に埋もれて魚は激減。
釣っていると高台から車が下りてきて30分ほど監視?されていたことがあります。

一時期、大きなパチンコ屋の駐車場に併設して「蛍の里」なるものができました。
蛍は棲めないのですぐにプチ庭園のようなものに変わりました。

米を作ってもらうのは有難いです。
この地域に議員もしくは有力者がいるのかもしれません。(蔵を持つ家も多い)
集落で票をまとめ、自分らの意向で田んぼや道路の整備をする。


【C:中流域】
甥っ子を連れて魚釣りを教える領域です。
周辺はアイガモ農法を取り入れた田んぼ。

保育園や小学校があるのでフィールド学習をよく行っています。
下流には浄水場があり市民の暮らしを支える水を供給しています。
小学生の時分、私はこの浄水場には社会科見学に行きました。

市水道局、九電、農協、市教育委員会、学校法人、商店。


【D:河口】
わずかながら根魚や青物も釣れます。小さな港。

ここに所属する漁師はB〜C周辺に自宅がある人が多いと聞きます。
船は主に養殖用の飼料運搬と釣り客相手。
今年から駐車スペースに「駐車禁止」の札が立ちました。
客でもない限りここでは釣りができなくなってしまいました。

漁協、県漁連、国交省。


【その他】
環境省、大学、研究機関、調査機関、専門家、ジャーナリスト。



以上、一本の川を軸として書いてみました。
小さな川も水量を増すにつれて、これだけの事情が絡みます。

川に棲む生物が数年前、数十年前と変わっている事に対して
自分のリアルな生活、幸せのために、その動物は排除すべきだとか言うだろうなと思います。

『魔魚狩り』を読み進めるうえで、誰がどの立場から言っているのか把握する事が大切です。
素人としては読み取りづらい部分があったので、例として出してみました。


つづく


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