5月は抜け殻コラージュ。

<抜け殻とライズ位置>
近くのオイカワの川です。

ライズが起こる場所はだいたい決まっています。

shell-rise01.jpg

A:すぐ上に落ち込みがあります。その上は広い瀬。
  夕暮れに大小4種類(またはそれ以上)の虫が大量に飛び交います。
  人間の体にバンバンぶつかってきます。
  一日を通して一番ライズの多い場所。出方も派手。

B:昼間から散発的にライズの起こる場所です。
  昼間は小型のカゲロウ、夕方に大型のカゲロウが水面から飛び立ちます。
  日によっては水面に出ない波紋だけのライズ。

C:昼間もけっこうライズする場所ですが夕暮れはもっと凄いです。
  昼間はこの上空にカワゲラが飛び上がり、風に流されるのをよく見ます。
  春先はオナシカワゲラ、現在はミドリカワゲラ全盛(5月上旬)。
  小型の甲虫も多いです。
  水面を割るライズがほとんど。

ミドリカワゲラのサンプル(干からびていますが)
shell-rise02.jpg
生体は蛍光の黄緑で黄色のほうが強い。もしかしたらモドキかもしれない。


ここには階段がついてます。
川虫の抜け殻のサンプルを採ってきました。
成虫を捕獲していないので同定などはしていません。

採取位置どおり、写真の上が川の上流となります。
shell-rise03.jpg

A(落込下):採取不可能

B(上流側):水面からの斜面で採取。
       コカゲロウなどの小さめのカゲロウ。量的には中くらい。

B(下流側):水面からの斜面で採取。
       モンカゲロウなどの大きめのカゲロウ。量的には少ない。

C(トロ場):階段1段目〜2段目の陰。雑草周り。
       カワゲラ。大量。


写真を重ね合わせ、採取位置とライズ位置とを比較してみます。
shell-rise04.jpg

なんとなくストーリーができあがります。

A:落ち込み下で複合ハッチ。
  大半の虫は夕方にここまでで羽化し飛び立つ。
  イブニングの空は成虫の嵐。
  魚は手当たり次第に狂って食べる。

B:昼間は小型のカゲロウ。羽化の浮上の際に食われている。
  夕方は大型のカゲロウ。羽化の浮上の際に食われている。
  夕暮れにAで羽化できなかったものが流されてきて魚に食われる。
  一部のものは斜面へ取りつき、羽化。

C:昼間はカワゲラ。
  本来は完全に階段まで登り、草周り、安全な陰に入って羽化する。
  這い上がる際に流されたものが食われる。
  (確率は少ないが、サンプルを見る限りカワゲラ自体の数は多い)
  夕暮れはA・Bで羽化できず通過してきた虫が
  流速も合いまり、高確率で食われる。

このストーリーにもとづき、フライを選び、釣り方を変えます。


先日のイブニングは凄かった・・

すべて真っ黒なオスで、腹もパンパン、夏まで待てない感じ。


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昆虫の羽はなぜ4枚なのか(1)

<昆虫の羽はなぜ4枚なのか(1)>
以前、昆虫進化にノーベル賞という記事を書きましたが。

(2013年3月15日)
多くの昆虫は4枚の羽を持っていますが、
昔はもっと多くの羽があり、
それが進化の過程で体の一部に変化したことが
名古屋大学のグループが行った遺伝子の研究で分かり、
昆虫の進化を解き明かす成果として注目されています。

素人の私が記事にするくらいだから
昆虫に昔はもっと羽があったというのは
ほぼ通説となっていたんじゃないのかと思います。
今回は”遺伝子レベルでつきとめた”ということでしょうね。

insecta.jpg
(以前の記事より)


ちなみに人間はチンパンジーから進化したというのが通説ですが。

人間はチンパンジーより未成熟段階(早産)で母親の胎内から出ます。
早く出た分、自然で生き抜く強さがないので
家族からの手厚い保護を受けながら遅れを取り戻す。
早く出れば脳を刺激するタイミングが早くなり、
その期間(教育)も長くなるので知能も発達する。
と同時に頭蓋骨の容量がないと脳の大きさにも限界がありますが。

つまり人間の進化がどこにあるかと問えば、
危険な早産をあえて行い、
それを”群れ”で補うことで知能を発達させるという「育成方式」にあるのかなと。

幼児に家族構成が大事なことをあらためて思います。


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虫の一夜漬け(6) 羽化と捕食(2)

<羽化と捕食(2)>
いつまでもうかうかしてられませんね。

前の内容を釣り方に反映させると・・。


○水面羽化もんはんりかとび

 ・浮上幼虫(羽化前のため背中が黒い) 
  - (もんはん)ニンフフライかウェットフライを使用。
  - (りかとび)ピューパフライかウェットフライを使用。
  - 水底から浮上。
  - または途中で水に流されているように。

 ・脱皮幼虫(幼虫の抜殻をぶら下げながら羽を出している)
  - (もんはん)ニンフフライかドライフライを使用。
  - (りかとび)ピューパフライかドライフライを使用。
  - 水面を流されるままに。

 ・乾燥亜成虫(羽を立てて乾かしている)
  - (もんはん)ドライフライを使用。
  - (りかとび)ドライフライを使用。
  - トビケラの場合は水面を川岸に向って横断させる。
  - それ以外の虫の場合は水面を流されるままに。


○石上羽化ちらふたげら

 ・歩行幼虫
  - (ちらふた)ニンフフライを使用。
  - (げら)ニンフフライを使用。
  - 水底から水面へ底をなめるように。
  - または途中で水に流されているように。


○水中羽化ひらたこんぼ

 ・浮上亜成虫(濡れないために水中で体表が反射する。羽はまだ広がっていない。)
  - (ひらたこ)羽を潰したドライフライかウェットフライを使用。
  - (んぼ)羽を潰したドライフライかウェットフライを使用。
  - 上記フライを水底から浮上させる。

 ・窒息亜成虫(羽は広がっていない)
  - (ひらたこ)羽を潰したドライフライを使用。
  - (んぼ)羽を潰したドライフライを使用。
  - 水面直下を流されるままに。

 ・乾燥亜成虫(暗色の羽を立てて乾かしている)
  - (ひらたこ)ドライフライを使用。
  - (んぼ)ドライフライを使用。
  - 水面を流されるままに。


下図の赤線をテグスに変えてアルファベットのフライを結べば
一度に各層をまんべんなく探れる理にかなった釣り方になります。

hatch-danger2.jpg

チェコニンフという釣り方も考えは同じです。(Czech Nymph,Czech Nymphing)
ただしチェコニンフの場合は一番下に重い”浮上前”を結ぶのが通例のようです。
時間も情報も限られた世界大会で有名になったのもうなずけますね。
一部批判があるのも事実です。



フライフィッシングは浮かせて釣るほうが間違いなく楽しいのですが
早期だとか増水時だとか、魚はいるはずなのに影が見られない時など
思い切って沈めてみると新たな発見や驚きがあることがあります。
「あの川=あのフライ」という思い込みには気をつけたいものですね。
鹿児島では(特に南)だいぶ虫の数も種類も偏っている気がしますが。
虫のお好きな方、このDVD


虫の一夜漬けシリーズ 最初から読む



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虫の一夜漬け(5) 羽化と捕食(1)

<羽化と捕食(1)>
また羽化の話です。
フライフィッシングをしている人でも興味ない人にはどうでもいい話ですが
解禁向けということで。

前の記事のとおり羽化形式には、水面羽化/石上羽化/水中羽化があります。


●水面羽化もんはんりかとび
 水面羽化は幼虫が水面に浮いてから脱皮して成虫が出てきます。
 魚から食べやすいのは浮上中と水面に浮いて飛び立つまでの間。
 浮上中から羽化完了までほとんど無防備です。


●石上羽化ちらふたげら
 石上羽化は幼虫のまま陸上まで出ていって脱皮して成虫が出てきます。
 陸上に出てしまえば魚は手も足も出せませんので
 魚が食べやすいのはたまたま水に流されてしまっているときくらい。
 幼虫の泳ぎが上手な種類が勝ち取った、これは羽化形式の進化と思われます。


●水中羽化ひらたこんぼ
 水中羽化は水の底石の上でもう羽化してしまってそのまま浮上します。
 水中で羽化するということはもう息ができませんので
 最後に水面を破れないと窒息して死んでしまいます。
 浮上中、あるいは窒息した個体が水面下を流れる際に食われます。
 一番リスクの大きい羽化形式ですので速い流れの中で短い時間で行われます。



下図の赤線の部分で食われやすいということになります。

hatch-danger1.jpg



つづく


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虫の一夜漬け(4) りかとび、げら、んぼ

<ユスリカ、トビケラ、カワゲラ、ガガンボの羽化>
残るカゲロウ以外の水生昆虫の羽化(ハッチ)について。

「りかとび、げら、んぼ」で覚えます。


・りか(ユスりか)
 例外- 背筋(水中)

    水面羽化

・とび(とびケラ)
 日本髭長川・縞・山・人形
 例外- 角筒・青髭長・流・岩(石上)、黒筒(水中)

    水面羽化


・げら(カワげら)

    石上羽化


・んぼ(ガガんぼ)

    水中羽化


カゲロウを含めて羽化する場所を図にしました。
色別に左から右へ読んでください。

hatch-place.jpg
※例外あり



川で虫を見つけたらとりあえずその虫がどの仲間か判別して
見つけた状況から羽化なのか産卵なのかそれ以外なのかを判断、
それに見合ったフライ選びと流し方を試せばきっと楽しい事と思います。

つづく


※縞(しま)、角筒(かくつつ)
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前の記事の答えは「釣り場」でした。


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スピナーフライの羽角度

<スピナーフライの羽角度>
フライフィッシングでスピナーとはカゲロウの成虫のことです。

ですが成虫だの亜成虫だのと言っているのは人間のほうで
カゲロウにとって本来の姿は
長く生活する水中のほうにあるかもしれませんけど。

羽化してからのカゲロウは
ご飯を食べることもなく交尾だけして死んでしまいます。
なのでカゲロウが翅を持つ意味は
繁殖(交尾と産卵)のためだけにあると言っていいです。

成虫になったオスは川岸で上がり下がりして群れて蚊柱を作ります。
この中にメスが飛び込んでオスと一対のペアになる。
その後オスはすぐ死んでメスも卵を水におろして死にます。

飛んでいる成虫が魚に食べられることはないので
もしこの場面で魚がカゲロウを食べているようであれば
力尽きて川に舞い落ち羽を水に下ろしたオス、
飛びながらお尻を水面につけて卵を落とすメスということになります。
(卵の下ろし方は他にもあります)

これを毛鉤にすると
オスを模したフライは羽を水平につけたもの、
メスを模したフライは羽をV字につけたものとなります。

spinner-fall.jpg

水面への乗り方は、オスは全体を水面にペタっと
メスは上半身は高く浮きながら尾で支える感じでしょうか。
(私はお尻を釣針の曲がりに少し入りぎみに作ります)

それでこそスピナーフライと呼ぶべきですかね。

ちなみにフライの羽をひとまとめに真っ直ぐ立てたら
羽化したばかりの亜成虫(ダン)が翅を乾かしながら水面を流れている様子ですね。

羽の角度について以前こちらにも書きました。

※宮下力さん、フランク・ソーヤーさんの書籍をおすすめします。


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